Amazonで高いポイント還元率になる、Amazon公式のAmazon Mastercard クラシック。
このページでは特長をメリット・デメリットに分解しました。
本当にAmazonでお得なのか?他カードと比較しながら考えてみましょう。
目次
Amazon MasterCard クラシックの5つのメリット
Amazon MasterCard クラシックの大きなメリットは、大別すると以下の5つ。
- Amazonで1.5%、プライム会員なら2.0%の高還元率
- Amazonポイントが直接貯まる
- マスターカードなので世界中で使いやすい
- 年会費は永年無料に
- 審査が比較的やさしい&即日使える
一見すごそうなクレジットカードに見えるかもしれませんが、他カードと比較すると相対的には大きなメリットと言えない場合も。
メリットを一つずつ見ていきましょう。
1.Amazonで1.5%、プライム会員なら2.0%の高還元率
Amazon MasterCardクラシックは通常時も1.0%とポイント還元率は高めですが、特筆すべきはやはりAmazonでの還元率。
Amazonでは1.5%、プライム会員なら2.0%になります。また、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンでの利用においても1.5%の還元が受けられます。
たしかにクレジットカードのポイント還元率としては高めですが、完全にメリットとも言い切れない理由もあります。
同等以上の還元率になる年会費無料カードもある
それは、JCBカードWやオリコカードザポイントといった使い勝手バツグンのカードもAmazonで2.0%以上になること。
- Amazonギフト券やJCB PREMOへの交換が必要
- ポイントモールを経由する必要がある
など少しの手間はありますが、どちらも楽天市場やYahoo!ショッピングでも1.5%以上になり、JCBカードWに至ってはセブンイレブンで2.0%、スタバで5.5%という強烈なポイント特約もあります。
2.Amazonポイントが直接貯まる
そうなるとAmazon MasterCardクラシックの優位な点は「ポイントをAmazonでそのまま使える」こと。
クレジットカードの利用によって貯まったポイントは、紐づいたAmazonアカウントへ自動的に付与されます。
JCBカードWもオリコカードザポイントも、貯めたポイントをAmazonで使う場合は少し作業が必要になります。
JCBカードWの場合
JCBカードWの場合、ポイントをAmazonで利用する方法は二つあります。
- 「Amazonパートナーポイントプログラム」にOkiDokiポイントを登録(1P=3.5円分)
- Amazonで電子マネー決済として使える「JCB PREMO」に交換して使う(1P=5円分)
一度交換する手間こそありますが、JCB PREMOの方がお得ですね。

オリコカードザポイントの場合
オリコカードザポイントは高い還元率で貯まったポイントの交換性に優れるのが長所です。
さまざまな共通ポイントへの等価交換、ANA/JAL両マイルへの交換、そしてAmazonギフト券へも交換できます。
500P=500円分から交換できるので、迷ったらAmazonギフト券にしておくのもありですね。
3.マスターカードなので世界中で使いやすい
Amazon MasterCard クラシックは、その名のとおり国際ブランドは「マスターカードのみ」。
VISA/MasterCard/JCB/American Expressの4種類から選べる楽天カードのようなクレジットカードもありますが、Amazon公式クレカは2022年執筆時点ではマスターカードのみ。
ただ、マスターカードは国際ブランドとして非常に使い勝手が良いです。

世界シェアはVISAに次いで2位。海外で使える場所は広範に渡り、外貨手数料も安いことで知られています。
国内に関してもコストコで唯一使えるクレジットカードブランドなので、利便性は抜群でしょう。
4.年会費は永年無料
2021年11月1日まではAmazon MasterCard クラシックの年会費は1,375円(税込)でしたが、現在は永年無料となっています。
Amazon用サブカードとしておすすめの年会費無料カードはほかにもある!
Amazon MasterCard クラシックは「なんとなくサブカードとして発行しようかなぁ…」という一枚にはあまり向いていないかもしれません。
それなら先述の二枚、条件なしで年会費無料のオリコカードザポイントやJCBカードWがいいでしょう。
5.審査が比較的やさしい&即日使える
Amazon公式クレジットカードの特徴的な仕組みとして「即時審査サービス」も挙げられます。
機械による自動審査で、最短3分。「Amazonテンポラリーカード」という限度額3万円の仮カードを即時発行してもらえます。
即時審査サービスには以下のような条件があります。
- 受付時間は9時~19時
- 満20歳以上のみ(一人一回まで)
- 申し込み時に指定の支払い口座を登録すること(対応銀行一覧はこちら)
その後プラスチックカードの本発行
即時審査のあと、一週間程度で簡易書留でプラスチックの本カードが届きます。(限度額もアップします)
審査は易しめ?
Amazon MasterCard クラシックの発行会社は「三井住友カード株式会社」。銀行系のカード会社なので、一般的には比較的審査には厳しめと言われています。
ただし、
- AmazonのECサイトとしての囲い込み戦略も兼ねている
- Amazonのビッグデータを審査のスコアリングに活かせる可能性
こんな事情も鑑みると、それほど厳しくはないと考えられるでしょう。
Twitterでの口コミを見てみても、年収や職業に不安があっても通った事例はそれなりにあるみたいです。
amazonのクラシックカードの審査が通った(^o^)vパートだからか前は審査落ちたんだけど買い物結構してるから通ったのかなぁ(^_^;)
— ちゅめ(北側傾子) (@cyume918) April 5, 2019
Amazon マスタークラシック合格しました💮💮💮
クレカの審査4浪以上してたので嬉しいです✌️😆
これからはキャッシュレス決済と上手く活用して節約しながら、健全なクレカヒストリーを作ってもっとおトクなクレカに通るように頑張ります。 pic.twitter.com/PmYi2Ge2w9
— コウシリンはニート❗️ (@kohika_cRin) March 27, 2019
よりくわしい審査基準や発行期間が知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
Amazon MasterCard クラシックの6つのデメリット
Amazon MasterCard クラシックのデメリットは、ざっくり言えば以下の6つに集約できます。
- Amazon以外での使い道が乏しい
旅行保険は一切付帯なし→2021年11月1日より旅行傷害保険が付与- 入会キャンペーンのポイントがもらえない?
- 電子マネーチャージのポイント付与なし
- WEB利用明細をAmazonサイトで見れない
- サポートの評判があまり良くない
一つひとつ見ていきましょう。
1.Amazon以外での使い道が乏しい
Amazon MasterCard クラシック最大のメリットである「Amazonでのお得さ」は、かなり特化したもの。裏返せばデメリットにもなります。
ポイントもAmazonでの利用のみ
ポイントをシームレスにAmazonで使えるのは公式クレカだけが持つ特権ですが、Amazonポイントは交換性がありません。
先述のAmazonで高還元率の年会費無料カード2枚と、ポイントの主な使い道を比較してみましょう。
ポイントの使い道 | Amazonでのポイント利用方法 | |
---|---|---|
![]() |
Amazonのみ | Amazonで直接利用可 |
![]() |
各種共通ポイント JAL/ANAマイルなど多数 |
Amazonギフト券への交換 (500P→500円分) |
![]() |
各種共通ポイント JAL/ANAマイルなど多数 |
JCB PREMOに交換 (1P→5円分) または Amazonで直接OkiDokiポイント利用 (1P→3.5円分) |
楽天スーパーポイントもAmazonポイントに似たところはありますが、Edyチャージができたり楽天ペイでコンビニ等でも使えたり、汎用性は高いですよね。(そもそも還元率アップのキャンペーンも豊富)
Amazonペイも一部ネット通販で使えるようになってきてはいますが、実店舗での導入が進む見込みは少ないとみられています。現時点では汎用性は低いと言わざるを得ないでしょう。
Amazon専用で考えても△
Amazon公式クレジットカードはAmazon以外ではポイント特約がありません。
さらに、クラシックに関してはAmazon専用として考えても微妙です。
プライム会員でなければJCBカードWやオリコカードザポイントに劣り、プライム会員でも同等のポイント還元率。
通常 ポイント還元率 |
Amazonでの ポイント還元率 |
楽天やYahoo!ショッピングでの ポイント還元率 |
|
---|---|---|---|
![]() |
1.0% | 1.5% (プライム会員で2.0%) |
1.0% |
![]() |
1.0% | 2.0%~3.0% | 2.0%~ |
![]() |
1.0% | 2.0%~3.0% | 1.5%~ |
もっと言えば、クレジットカード×通販でざくざくポイントを貯めたい人は楽天カードの方が圧倒的に貯まりやすいです。
2.旅行保険は一切付帯なし→2021年11月1日より旅行傷害保険を付与
以前はAmazon MasterCardクラシックには、国内・海外いずれの旅行保険も付帯されていませんでした。年会費無料カードなら旅行保険がないカードもありますが、年会費がかかるカードでは珍しいぐらいかもしれません。
しかし、Amazon MasterCardクラシックの後継サービスとなるAmazon MasterCardに旅行傷害保険が付与されたのに合わせて、Amazon MasterCardクラシックにも2021年11月1日より2,000万円の旅行傷害保険が付与されました。
いくつかの年会費無料カードと、旅行保険を比較してみましょう。
国内旅行保険 | 海外旅行保険 | |
---|---|---|
Amazon MasterCard | - | ◎ |
オリコカードザポイント | - | - |
JCBカードW | - | ○ |
楽天カード | - | ○ |
ヤフーカード | - | - |
リクルートカード | ○ | ○ |
エポスカード | - | ◎ |
REX CARD | ○ | ◎ |
◎…自動付帯(旅行に持っていくだけで保険適用)
ショッピング保険も200万円に増額
以前はAmazon MasterCard クラシックには最大100万円のショッピング保険がついていましたが、こちらも2021年11月1日より200万円に増額されました。
また、以前は、海外での利用か「国内での分割払い・リボ払い(3回以上)」のみ対象でしたが、新サービス以降に際して制約はなくなり、無条件で保険を適用できます。
3.入会キャンペーンのポイントがもらえない?
2019年執筆時点では、上位カードであるAmazon MasterCard ゴールドには入会特典がなく、Amazon MasterCard クラシックには5,000ポイントの入会特典があります。
しかし公式のレビューを見ると「実際には2,000ポイントしかもらえなかった」というコメントが目立ちます。
入会ポイント数の確認をしたところ、入会特典のポイント数は、お客様によって異なるため、お客様が当サイトをご覧になられた際に、5000ポイントと記載があれば5000ポイント付与となりますとの回答がメールできました。もう少し詳しく知りたかったので、再度電話で問い合わせしたら、今は2000ポイントしかやってないとのこと。じゃ、このメールの回答と違うじゃないかと指摘したら、メールの回答が間違いということになりました。回答を間違うなんてありえないことです。カードはキャンセルします。Amazonの信用がなくなりました。
仮に2,000ポイントのみだったら、クレジットカードの入会特典としては少なめと言ってもいいかもしれません。
クラシック→ゴールドの切り替え発行がお得?
まずクラシックを発行して入会特典のポイントをもらい、その後ゴールドに切り替える人も多いようです。
その場合の注意点は以下のとおり。
- クラシックとゴールドでは審査基準が異なるので、当然審査はされる
- カードの番号は変わる
Amazon MasterCard Gold申し込んでみた、クラシックからは再申請じゃなくて切替なんだ、ウェブの入力もほぼワンタッチ。1週間後届くってもうメール来てた。カード会費の値上げや割引条件の改悪しないでね。#Amazonプライム値上げ
— はるじぃ (@haruzi313) April 12, 2019
Twitterを見る限りでは、すぐに切り替えされるパターンと、しばらくVpass(カード管理サイト)に二重で登録されるパターンがあるようです。
amazonクラシックからゴールド切り替え一日で受理された
サラマンダーよりずっと
— ばくぜろ🎮RTAinJapan (@baku_zero) April 16, 2019
三井住友カードのページからAmazonクラシックカードがいまだに消えないんですが,ちゃんと切り替えになってるんですかね.年会費取られたら怒るよ.
— かずㄘƕさƕ (@kxcx_sec) April 15, 2019
4.電子マネーチャージのポイント付与なし
Amazon MasterCard クラシックは後払い式の電子マネー「iD」を利用できます。
しかし、dカードのように一体型ではなく、発行後に申し込んで別途カードを持つ必要があります。
また、nanacoやEdyなどの電子マネーへのチャージはポイント付与対象外なので、このあたりは楽天カードやリクルートカードに劣る部分ですね。
5.WEB利用明細をAmazonサイトで見れない
「Amazonのクレジットカードなんだから、Amazonのページで明細とか見れたらいいのに」と感じる人も多いようです。
しかし、実際は三井住友カード発行なので、Vpassでの管理。
個人差の部分も大きいですが、「楽天カードの管理画面と比べて使いづらい」という口コミもそれなりに見受けられました。
6.サポートの評判があまり良くない
Amazon公式レビューの星1~3つ以下のレビューで最も目立ったのが「サポート対応」についての酷評です。
(そもそも悪評をそのまま掲載している点はさすがAmazonですが)
まとめると、多かったのはこんなレビューです。
- 不正利用されたのに平日日中しか停止処理ができない
- 折り返しの電話をしたのに全然繋がらず、メールしたら電話しろとメールが返ってきた
- 入会特典の内容をサポートが把握できていない
不正利用が多い?
レビューを見ると「不正利用された」という声が多いですが、考えられる理由は二つ。
- そもそも数千件以上のレビューがある
- 不正利用に対してサポートの対応が悪かったので表層化した
- 不正利用を検知して自動的に停止する機能が弱い
60日以上経過してから不正利用に気付き、調査もされなかった…というコメントもありました。
Amazon MasterCard クラシックに限った話ではありませんが、不正利用を防ぐためにも利用明細は定期的に確認しましょう。
Amazon MasterCard クラシックとゴールドの違いを比較
Amazon公式クレジットカードはクラシックとゴールドの二種類。
- 両者の違いはどんなところか?
- どっちがお得なのか?
しっかりと判断できるように、クラシックとゴールドを比較してみましょう。
クラシックとゴールドの大きな違いは4つ
Amazon MasterCard クラシックとゴールドの大きな違いは4つあります。
- 年会費
- Amazonでのポイント還元率
プライム会員権→2021年11月1日より撤廃- 旅行保険などの付帯サービス→2021年11月1日より旅行傷害保険で限度額2,000万円に統一
簡単な表で比較すると分かりやすいかもしれません。
![]() |
![]() |
|
---|---|---|
年会費 | 1,375円(税込) | 11,000円(税込) |
年会費の優遇方法 | 年一回以上の利用で翌年無料 | ・WEB明細に切り替えると1,000円割引(税別) |
Amazonでのポイント還元率 | 1.5% (プライム会員なら2.0%) |
1.5% (プライム会員なら2.5%) |
プライム会員権 | - | - |
旅行保険 | ◎ | ◎ |
ショッピング保険 | ◎ 最大200万円 |
◎ 最大300万円 |
利用限度額 | 10~200万円 | 10~200万円 |
国内主要空港ラウンジ | - | ○ |
即時審査サービス | ○ | ○ |
入会特典 | ○ | - |
ゴールドの方が全体的にパワーアップしますが、年会費も高くなります。
年会費の割引も考えた場合、どっちがお得?
Amazon MasterCard ゴールドは、WEB利用明細に切り替える→1,100円(税込)割引になります。
クラシックとゴールドのお得さ比較
リボの割引を度外視した場合、クラシックとゴールドではどちらがお得でしょうか?
利用額に合わせてシミュレーションしてみましょう。
数字は獲得ポイント数、カッコ内は獲得ポイント数からそれぞれ以下の数字を引いたものです。
クラシック | ゴールド | |
---|---|---|
月1万円×12ヶ月 | 2,400 (-2,500) |
3,000 (-6,900) |
月3万円×12ヶ月 | 7,200 (+2,300) |
9,000 (-900) |
月5万円×12ヶ月 | 12,000 (+7,100) |
15,000 (+5,100) |
- クラシック:4,900(プライム会員の年会費)
- ゴールド:1,100円(Web明細による割引)
Amazon MasterCard ゴールドのプライム会員権がなくなったことで、ゴールドカードの年会費の元をとるのはやや難しくなりました。月5万円程度の利用額までならば、Amazon MasterCardクラシックの方がお得になりそうです。
Amazonでお得なクレジットカードは他にもある!
Amazon利用限定のサブカードとしてならAmazon MasterCard クラシック&ゴールドも検討の余地ありですが、ネット通販メインのサブカードとしてならもっと良い候補があります。
くわしくは下記の記事で徹底比較しています。
総評:Amazon MasterCard クラシックはやや難しい選択肢
最後にAmazon MasterCard クラシックの特徴をおさらいしてみましょう。
- 通常1.0%、Amazonで1.5%(プライム会員なら2.0%)の高還元率
- ポイントはAmazonでそのまま1P=1円として使える
- JCBカードWやオリコカードザポイントもAmazonで2.0%以上、楽天やYahoo!ショッピングなど多くのシーンでもポイント還元アップ機会がある
- マスターカードなので世界中で使いやすい
- 即時審査サービス&テンポラリーカードで3万円まで即時利用可
- 入会特典、不正利用への対応などサポートの評判がよくない
一般的なクレジットカードとしては他に優秀なカードがたくさんあるので微妙。
Amazonでお得なクレジットカードなら、JCBカードWやオリコカードザポイントの方がおすすめ。
入会特典を経てゴールドへのステップアップ以外には、なんとも立ち位置が難しい一枚と言えるかもしれません。