一生に一度の大きな買い物であるマイホーム。
多くの人が購入の際、住宅ローンを利用すると思います。
しかし、実際はどのようにして住宅ローンを選べばいいかわからないといった人も多いのではないでしょうか。
住宅ローンは、借入先だけでなく、金利タイプや返済方法などさまざまな種類の住宅ローンタイプがあります。
単純に金利が低い理由で住宅ローンを選んでしまうと、総費用がかさみ実際は損をしてしまう場合も多いです。
本記事では、返済方法や金利などに触れながら住宅ローンの選び方のポイントについてまとめていきたいと思います。
また、オススメの銀行住宅ローンも紹介しているので、これから住宅ローンの申し込みを考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
住宅ローンを選ぶポイント
住宅ローンを選ぶにあたって、何を基準に選んでいけばよいのかわからないことが多いですよね。
実際に住宅ローンの選でいく際には、基本的に以下の項目を選択していきます。
- 返済方法の選択
- 金利タイプの選択
- 借入先の選択
具体的に見ていきましょう。
しかし、絶対に紹介してもらった住宅ローンでなければいけない、というわけではありません。
紹介してもらった住宅ローンとは異なるローンを希望する場合、「自分で住宅ローンを申し込みます」と言えば問題なしです。
返済の仕方を選ぼう
まずは返済方法を選択しましょう。
返済は毎月行っていきます。
そのため自分、家族の収入を考えて月にどれほどお金を捻出できるのかを考えることが大切です。
特に子供がいる家庭では、教育費などで出費が増えてしまいます。
長期的に見て、10年後~20年後でも払える額の返済額を提示しましょう。
また、返済額から考えて購入する物件の価格を決めるのもオススメです。
返済方法には、「元利均等返済」「元金均等返済」という2つの種類があります。
元利均等返済 :返す額が一定だからライフプランが立てやすい
元利均等返済は、毎月支払う金額が利息と元金合わせ、一定になるプランになります。

出典:金融広報中央委員会情報サイト「知るぽると」
支払う金額は一定ですが、利息の割合が徐々に変化し、少なくなっていきます。
毎月払う金額が一定なので、ライフプランが立てやすいといったメリットがあります。
元金均等返済 :トータル額がお得
元金均等返済返済では、毎月の元金の返済額が一定となる返済方法です。

出典:金融広報中央委員会情報サイト「知るぽると」
利息も毎月減っていくため、徐々に支払いの負担も少なくなっていきます。
また、元利均等返済よりトータルで支払う金額もやや少なくなるというメリットがあります。
一方初回の支払い負担が多くなるため、払える分の収入が必要になります。
メリット | デメリット | |
元利均等返済 | 支払額が一定だから返済プラン、ライフプランが立てやすい | 支払額合計は元金均等返済よりも多くなる |
元金均等返済 | 利息が徐々に減っていくため支払総額が低くなる | 初回の支払額負担が高い |
例として、元金均等返済と元利均等返済の支払額の総額がどれほど違うのかを見てみましょう。
【総返済額の比較】
お借入残高2,500万円、固定金利2%、返済期間が25年の場合
A「元利均等返済」 総返済額 31,788,933円 約定返済額:105,963円
B「元金均等返済」 総返済額 31,270,711円 約定返済額:124,999円(約定返済額:初回124,999円以降少しずつ返済額は少なくなり、最終回は83,572円となります。)
A-B=518,222円
(引用:楽天銀行公式HP)
金利タイプを選ぼう
次に金利タイプを選びましょう。金利タイプは主に3種類あります。
- 固定金利型
- 変動金利型
- 固定金利選択型
この3つの中から選ぶようになります。
どれを選ぶかによって金利が変化し、支払総額にも差が生じてきます。
全期間固定金利型
固定金利型とは、「全期間固定金利型」とも呼ばれており、その名の通り利息の適用金利がずっと一定です。
返済額がずっと一定となるため、返済プランがたてやすくなっています。
また、金利の低い時期に契約が取れれば、その後低金利での支払いができます。
金利の変化に捕らわれたくない、面倒だという人にはオススメですね。
変動金利型
2つ目は、変動金利型です。
変動金利型では、金利が情勢などの影響で変化していきます。
通常、半年ごとに金利の見直しが行われます。しかし、返済額の見直しは5年ごとのため、5年間は決まった額の金利で支払いを行います。
また5年ごとの見直しでも、返済額の上限は前回の返済額の1.25倍以内までという規則があるため、いきなり返済額が2倍になったという事は起こりません。
金利の設定価格は固定金利より低めに設定されています。
固定金利選択型
固定金利選択型は、固定金利と変動金利を、期間ごとに選択していくプランとなります。
選択する期間については、契約時に2年、5年、10年といった期間を選び自分で選択します。
固定期間の選択中は、返済額は変わりません。金利の変動次第でその後の返済額が変わるので、その都度考えて選択していきたい方にはオススメです。
メリット | デメリット | |
全期間固定金利 | ・返済額が一定となっているため返済プラン・ライフプランを立てやすい。
・初回時に低い金利で契約できた場合、その後も低金利で支払いが行える。 |
・変動金利より金利設定価格は高め。 |
変動金利 | ・金利水準が下がると、それに応じて低い金利で返済が行える。
・金利が低く返済できれば、固定金利より総返済額は少なくなる。 |
・契約時にはその後の金利の情勢が分からないため、返済総額の具体的数値は不明。
・元利均等返済+変動金利の組み合わせの場合、金利が高くなると元金の割合が低下するため、支払いが長期化する恐れあり。 |
固定金利選択型 | ・メリット固定期間中は返済額が変わらないため、2~10年間の支払額は決定できる。 | ・変動金利期間の選択中は、金利の変化が分からないため、契約時には実際支払う額の合計はわからない。 |
借入先を決めよう
3つ目は、借入先の決定をしましょう。
借入先の種類には、大きく分けて3つの種類があります。
- 公的ローン
- 民間ローン
- フラット35
民間ローンは、民間の銀行や保険会社などが提供する住宅ローンとなっています。
公的ローン
公的ローンは、国や自治体などが提供する住宅ローンとなっています。
公的ローンには財形住宅融資、自治体融資の2種類の種類があります。順番に説明していきましょう。
財形住宅融資
財形住宅融資とは、このサービスを導入している企業や団体に所属しており、それを利用している方が条件となります。
融資額は、財形貯蓄残高の10倍までと規定されています。
また、利用条件は、財形貯蓄を1年以上行い、一定条件を満たした方のみが利用できるとされおり、返済開始から終了までの全期間、5年ごとに適用金利を見直す5年間固定金利制と定められています。
詳しい利用条件、購入物件にも詳しい規定があるため、詳しくはこちらで確認してください。(ご利用条件:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) (jhf.go.jp))
自治体融資
自治体融資は、都道府県や市町村などが住民支援・勤労者支援の一環として実施している融資制度です。
金利や借入れ条件なども自治体によって異なります。融資を希望する方と自治体の取次ぎを行う共同組合などもあるので、自治体融資を考えている方は所属している市町村などに確認してみましょう。
民間ローン
民間ローンは、民間の銀行や保険会社などが提供する住宅ローンとなっています。
民間ローンで以下の3種類の住宅ローンがあります。
- 民間融資
- 提携融資
- 社内融資
順番に見ていきましょう。
民間融資
民間融資とは、我々が普段使っている大手メガバンクをはじめとした銀行、信用金庫や住宅ローンの専門会社などが当てはまります。
銀行などでは、それぞれの機関でお得なプランや特典をつけている機関も多く、一概にどれが一番優れているかは言い難くなっています。
民間融資では、大体が団体信用生命保険に加入することが必要になります。
提携融資
提携融資とは、住宅メーカーや不動産会社が、金融会社と提携して提供している住宅ローンサービスになっています。
基本的に、物件を購入する際、担当の営業などから勧められる住宅ローンはこの提携融資にあたります。
社内融資
社内融資とは、言葉のとおり企業が職員の福利厚生の一種として提供している住宅ローンになります。
企業により住宅ローンの詳しい内容が異なります。
そのため、まずは自分の会社で住宅ローンを提供しているかを調べてみましょう。
フラット35
フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して融資を行っています。
つまり、公的機関と民間機関の中間的立場ですね。
フラット35の特徴としては、最長35年間の借り入れが可能であり、金利が固定型であることです。
審査の基準も民間ローンと比べるとやや優しくなっており、年収による制限もありません。
民間ローンでは加入必須である団体信用生命保険(団信)への加入も任意で行うことができます。
団体信用生命保険とは
団体信用生命保険とは、もしも支払者が事故や病気により死亡、または高度重症障害が残った場合に支払いが免除になる保険となっています。
民間ローンでは、この団体信用生命保険の加入が必須となります。
保険料の支払いは、月々に金利に含まれており、0~0.3%程の保険料が上乗せされて支払います。
もしもの時に家族を守れる保険となっているため、しっかり保証内容が十分かどうかを確認して加入するようにしましょう。
総費用を考える
住宅ローンを申し込む場合は、元金と利息だけでなくいろいろな保険料の支払いや、手数料などの諸費用がかかります。
この諸費用は、借入先によってバラつきがあり10万円~100万円程差が出る場合があります。
よくあるのが、金利の低い住宅ローンを借りたが諸費用などで多く金額を取られてしまい、結局支払い総額が高額になってしまったというパターンです。
一般的な諸費用は、中古物件では5~10%、新築物件では3~7%程度が相場と言われています。
主な諸費用は以下の表になります。
保証料 | 保証会社に保証人となってもらうための費用。借入額や返済期間によって金額が変わる。 |
仲介手数料 | 不動産の売買契約を成立させた仲介活動の報酬として不動産会社に支払う費用。 費用は不動産会社によって異なる。 |
火災保険料 | 相場で約15万~40万円ほど。 |
地震保険料 | 保険金額 1,000万円当たり、約1万~3万円ほど。 |
団体信用生命保険料 | 別途支払う必要はないが、価格帯として約10万~12万円。 |
住宅ローンは2~3社を目安に応募しよう
住宅ローンでは、申し込みをし、審査に通過したら借り入れを行えるようなります。
その際に、1社以上申し込みを行っても問題はありません。
自分の年収や職業に合わせ受かりそうな住宅ローンを2~3社ピックアップし複数申し込みをしてみましょう。
その中で1番いい条件の住宅ローンを選ぶようにした方が希望の住宅ローンを見つけやすいです。
この際注意して欲しいポイントは、 申し込みは最高3~4社までにとどめることです。
あまりにも多すぎると、銀行や金融会社から「本当に契約する気があるのかどうか」を疑われてしまい、審査に通過できない可能性があります。
オススメの銀行住宅ローン5選をピックアップ!
住宅ローンの仕組みについて理解できたでしょうか。
ここからは、民間ローンに当てはまる銀行からオススメの住宅ローンを5選紹介していきたいと思います。
紹介してきた、金利の違い、返済方法などに注目しながら5社を比べてみてください。
新生銀行「住宅ローン」 諸費用がかなり安い
新生銀行住宅ローンの特徴は、とにかく諸費用を抑えられます。
例えば取り扱い手数料を見てみましょう。
定額型事務取扱手数料 | 定率型事務取扱手数料 | |
借入金額 1,000万円 | 5.5万円
本事務取扱手数料は団体信用生命保険のみ付帯した場合の金額です。*1 |
22万円 |
借入金額 5,000万円 | 110万円 | |
借入金額 2億円 | 440万円 |
基本的に、この事務取扱手数料は金融機関に対して「住宅ローンの申し込み手続きの報酬」として支払う費用です。
費用の相場は、「借入金額×2.2%(税込)」が一般的ですが、新生銀行の場合、定額型の返済方法を選択した場合、借入金額が1,000万円~2億まで一定となっています。
これを見ると、新生銀行の手数料がかなり安いことがわかりますね。
ほかにも新生銀行では保証料や繰り上げ返済手数料、団信保険料といった諸費用が無料で提供してくれます。
諸費用を抑えて、初期費用をなるべく抑えたい人にオススメの住宅ローンとなっています。
また、住宅ローンの審査は基本的に仮審査と本審査の2段階で行われます。
しかし、新生銀行では本審査行われないため、仮審査で必要な書類提出を求められません。
審査にかかる手間が掛からないのも魅力の1つですね
また申し込みは全てWEB上で行えるので、店舗に行かなくても手軽に行えます。
- 【新生銀行住宅ローンの特徴】
- 事務取扱手数料が、定額型を選択の場合一律55,000円という破格の安さ
- 保証料や繰り上げ返済手数料、団信保険料といった諸費用が無料、もしくはかなりの低コスト
- 審査が本審査のみのため手間がかからない
- WEBで申し込み完結
イオン銀行住宅ローン
イオン銀行住宅ローンでは、かなり低金利で住宅ローンが組めることがポイントです。
固定金利、変動金利ともに業界でも低金利となっているためとてもお得です。
加えて、イオンユーザーには嬉しい、お買い物割引5%オフ特典がついています。
イオンが提携しているさまざまな店舗で5%オフが適応されるため、日常的にイオンを使用する方はかなりお得です。
他にも無料でイオンゴールドカードが発行されるといった特典もついてきます。
低金利なだけでなく、その後の生活で恩恵を受けらそうな特典が多いですね。
また、イオン住宅ローンでは、手厚い保険も魅力の1つです。
通常の団体信用生命保険に加え、8大疾病保障付住宅ローンやがん保険プランなど、万が一の時に備えた保険が充実しています。
なかでも、がん保険プランは保険料の0.1%の上乗せでつけることができます。内容としては、
がんと診断されると、住宅ローン残高が0円になる
がんを原因とする、先進医療の自己負担金が保障される※
初めて上皮内がん、皮膚がんと診断された場合は30万円が保障される
(イオン銀行公式HP)
を確約しており、何か起こった時でも確実に家族を守ることができますね。
- 【イオン銀行住宅ローンの特徴】
- 固定金利、変動金利ともに低金利
- イオングループでの買い物でいつでも5%オフ
- イオンゴールドカードの発行
- 保険プランが充実しており、万が一に備えられる
ソニー銀行住宅ローン
ソニー銀行住宅ローンの魅力は、業界最低水準の金利です。
ソニー銀行住宅ローンでは、自己資金が10%以上ある場合には変動金利タイプ、当初固定タイプのどちらも、業界最低水準の金利で借入することができます。
そのため、低金利を重視したい人におすすめの住宅ローンです。
また、住宅ローンオリコンランキング11年連続 総合1位という実績を持っており、多くの人が利用しているため安心して借り入れが行えますね。
また、ソニー銀行住宅ローンはネット銀行でありながらも、相談サービスが充実しています。ネットでの手続きのみでは不安な人でも、安心してローンを組めますね。
店舗はCONSULTING PLAZA(東京都中央区銀座)のみとなっていますが、オンラインの相談も受け付けているため、いつでも相談が可能です。
- 【ソニー銀行住宅ローンの特徴】
- 変動金利、当初固定どちらも業界内最低金利
- 11年連続オリコン顧客満足度1位の実績
- 相談サービスが充実しているため、オンライン相談も可能
住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン
住信SBIネット銀行では、変動金利0.4%台、固定金利1.6%台とかなり低金利で住宅ローンを借りることができます。
他にも、三井住友信託銀行での取引を申し込むと、金利が0.01〜0.03%引下げになるプランも提供しており、かなりお得ですね。
団体信用生命保険も充実しており、がんや脳卒中、糖尿病といったかかりやすい疾病だけでなく、生活習慣病にも保険適応がされます。
低金利だけでなく、団信保証も充実している安定したバランスのいい住宅ローンといえるでしょう。
- 【住信SBIネット銀行の特徴】
- 変動金利・固定金利ともに低金利
- 三井住友信託銀行での取引で金利の値下げサービスあり
- 団信保証が手厚く、定められた8疾病をカバー
りそな銀行住宅ローン
りそな銀行住宅ローンは、知名度の高い都市銀行が提供している住宅ローンになります。
りそな銀行は変動金利0.4%台、固定金利0.795%と、固定金利がかなり低めに設定されていることが特徴です。
りそな銀行住宅ローンでは、「ワイド団信」という健康上の理由で加入ができない方向けの保険も用意されています。
また、りそな銀行ならではの特徴として、日照補償付住宅ローンという太陽光発電システムの費用を合わせて借り入れられるプランを無料でつけられます。
具体的な内容は、日照補償として借入後3年間、基準日照時間を下回った場合に補償金を受け取れるというものです。
他にも、女性向け専用の住宅ローンといったプランも提供しています。
この女性向け住宅ローンでは、審査結果にもよりますが、条件を満たせば基準金利より最大年2.005%引き下げられるプランとなっており、女性の住宅購入を後押し咲いてくれます。
りそな銀行ならではの特典サービスですね。
- 【りそな銀行住宅ローンの特徴】
- 変動金利・固定金利が低め
- 団信保証も充実「ワイド団信」も
- りそな銀行ならではの日照補償付住宅ローンあり
- 女性専用住宅ローンあり
まとめ
いかがでしたか。
本記事のポイントをおさらいしておきましょう。
- 住宅ローンは返済方法、金利、借入先の選択を行う。
- 返済方法は、元利均等返済・元金均等返済の2つ。
- 金利タイプは変動タイプ、全期間固定、固定金利選択型から選べる
- 借入先には公的ローン、民間ローン、フラット35の3種類
- 住宅ローンでは、元金、利息だけでなく諸費用もかかるため、すべての総額を考慮して返済プランを考える
これから住宅ローンの申し込みを考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。